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映画・ゲーム考察

【第1章要約】TELL ME WHY

本作の主人公は、一卵性双生児の姉弟、アリソンとタイラーである。


2005年、トランスジェンダーであるタイラーは、髪を短く切ったことが原因で母メリーアンによって襲われ、彼女を刺殺する。


タイラーは10年間、未成年のための施設に入所する。


タイラーの出所に際し、再会した姉弟は、かつて母メリーアンと共に過ごした家を売り払うため、ふたたび生家を訪れる。


母の部屋で双子が発見したのは、タイラーが自身のジェンダーについて記した日記と、「トランスジェンダーの育児」に関する書籍、そしてキリスト教系の転向療法のパンフレットだった。


母の知人に聞き取りを行い、パンフレットはその知人が渡したものだということが判明する。

また、母はパンフレットを渡された際に反発したということも明らかになる。


これによって、双子の母は、タイラーのトランスジェンダーについて認識し、かつ、タイラーを「転向」させるのではなく、トランスジェンダーとして育てようとしていた可能性があったことが判明する。


髪を切ったことが、タイラーの襲われた原因だと考えていた双子は、これによって混乱する。


そして第1章の終わりには、母メリーアンを刺殺したのが、実はタイラーではなく、アリソンであったことが判明する。

 

 

 

本作の特徴は、「記憶の再現」と「声」の能力である。

これらを用いて、双子は生家に隠された謎を解き明かし、過去について知識を深めていく。


また、「ゴブリンの本」という双子(主にアリソン)が幼い頃に執筆した童話が存在し、そこには、2人を取り巻く環境が物語となって記されている。

ただし童話の内容が必ずしもすべて事実に基づいているとは限らず、双子の想像力に基づくフィクションとなっている。

しかしながら「ゴブリンの本」は、双子の過去と、登場人物たちについて知る貴重な手段となっている。

 


第1章で描かれるのは、双子の再会と生家への再訪、そして母について知る3人の主要な人物であるサム、テッサ、エディの導入である。