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映画・ゲーム考察

LIFE IS STRANGE:1と2の比較[DON'T NOD開発]

LiS[無印]では主人公が時間の巻き戻し能力[rewinding]を使用可能であるのに対して、LiS2では超能力[テレキネシス]を有しているのは弟のほうで、プレイヤー(=主人公)は超能力を使うことはできない。その意味では、たしかに選択肢をポチポチしているだけのLiS2では無印にゲーム性の面で劣るとも言える。

https://x.com/4fraid_video/status/1746679577941041617?s=46&t=f08eI0ZKof8UZTVXOuUzyw

 

ただし「選択分岐型」アドベンチャーという面で見ると、無印においては、ゲームを最も有名にしたであろうエンディング、"Bay or Bae"という究極の選択に、それまでゲームの中で積み重ねてきた選択は反映されていないとも言える。

 

一方で、LiS2のエンディングについて見てみると、プレイヤーは最終選択を行うだけでなく、「最終選択に対して弟がどう行動するか」に、それまでの選択の蓄積が反映されている。したがって、選択分岐型としてはLiS2のほうが熟成されて優れている、という考え方ができる。

 

無印は、rewindingの能力を活かして途中で何度も巻き戻しを繰り返しながら進行していくゲームシステムの革新性があるので、そういう意味では「選択分岐型」とrewindingの2本の柱ででゲームの面白さが支えられている。

 

無印は探索&謎解き型のアドベンチャーゲームであるのに対して、LiS2は「ムービーの中に探索と選択を織り込んだ」という感じで、「ロードムービー=1つの道筋」というイメージ通りの、1本のムービーとして成立するような工夫がされたものだと考える。

 

ゲーム性・ムービー性以外の面で見ると、やはりティーンの物語として、ビジュアルコンセプト・サウンドトラックも含めて鮮烈な印象を残した1の功績は大きい。

 

ダークで力強いゲームを目指しがちな業界の傾向に対してのカウンターとして成立する、"zen moment"を中心概念として開発されるIPの立ち上げとなった。