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映画・ゲーム考察

TELL ME WHY時系列解説

1964年 メリーアン・ローナン[賢い王女]、カリフォルニア※に生まれる。

    厳格な母親[黄金の貴婦人]のもとで教育を受ける:

     ー バレエの指導を受ける

     ー 大学では、母の意向で工学系の学部を専攻したものと思われる

 

1984年  専攻を視覚芸術へと変更しようとする(転学部しようとする)も、おそらく母の反対を受け、失敗する。※

     ・この頃、芸術家(画家)の男性と恋に落ちるが、破局。おそらく原因は母の干渉による。

 

この間、メリーアンは大学を中退し、一文無しになる。※

    

1992年 メリーアン、実家を出る。この時妊娠していた。※

      メリーアン、「サーモンベリーパーク※」というコミューンのような場所で生活する※

      ここでのメリーアンは皆に好かれていた

 

同年6月 メリーアン、「サーモンベリーパーク」を去る

      ジュノーの時計店※※※に勤め、生計を立てる

同年10月 メリーアン、時計店を辞める。

     デロス・クロッシングに引っ越して現在の「大きな木造りの家」に定住

    ・メリーアン、この頃エディの母キャロル[ビーバーおばさん]とサム[熊おじさん]に出会う。幸せそうに過ごす※重要

     

この頃、メリーアンは第1子(レオ)を失う。※重要

 

---------------------------------ここまで第3章[納屋の屋根裏]で判明する出来事

 

この頃、メリーアン、トム・ヴェッキ※と情事を重ね、双子を妊娠する。

 

1995年 アリソン・ローナン&タイラー・ローナン[双子のゴブリン] 生まれる

 

1996年 メリーアンのもとへ、父親からの手紙が届く。母の死と、彼女がうつ病を患っていたことを知る。※

 

1999年 キャロル、死去。※メリーアンにとって数少ない友人の死は彼女の精神衛生上深刻な影響を及ぼすことになる。

 

2004年 厳しい冬の訪れ。メリーアン、困窮する。テッサ[ペリカンおばさん]らの支援を得る

 

2005年 アリソン、メリーアンを刺殺する。タイラーが「メリーアンに襲われている」と誤解し、アリソンに助けを求めた末の出来事だった。

     トム・ヴェッキ、一連の事件を目撃する

     なお、メリーアンの死因は溺死であり、トムは彼女を見殺しにした格好になる※

 

               双子の通報を受け、エディが現場へ向かう※

     タイラー、逮捕される※

 

     メリーアンの葬儀が執り行われる

 

     タイラー、ファイヤーウィード※にて保護される

     アリソン、エディによって引き取られ、育てられる

    

    エディ、裁判所の判断に従い、タイラーとアリソンの接触を禁ずる※

    また、秘密裏にタイラーの入所中の費用を捻出する

 

2012年 タイラー17歳、出所が可能となるも、アリソンとの接触を避ける※

 

2015年 タイラー20歳、ファイアーウィードを出所。アリソンと10年ぶりに再会する。ゲーム『TELL ME WHY』は、再会の日を含めた3日間の出来事を描いている。

 

 

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※ 人形(「ゴブリンの本」の登場人物)に必ずしもモデルが存在するとは限らない

※ 人形がいつ、誰(おそらくメリーアン)によって製作され、どこで保管され、誰によって離散したかは不明。仮に酔っぱらったサム(双子にゴブリンを渡した)が方々へばらまいたにしても、警察署内やエディの寝室など、侵入が容易とは思えない場所に配置されている場合がある。

 

※ 第3章で屋根裏で見つかる書類によれば、大学がカリフォルニアだったことから。生年は、第2章で墓石からわかる

※ タイラーの推察によれば、「誰かが書類を捨てた」ので、おそらく母。ただし書類に必要なサインは、学生本人のものと、転学先の"アドバイザー"のもののみ。(出資者...父親は何をしていたのか?)

※ 子の生活を支援しないということは、子が自分で稼ぐということなのだから、子供の意思に従うべきだと思うのだが、この点において「言う通り/思う通りにさせよう」という[黄金の貴婦人]の方針は矛盾している。つまり「自分の言う通りにしないなら支援しない」と言うことだ。

※ 1992年時点のメリーアンの妊娠の父親が誰かは作中で特定されない。

オレゴン州に、同名のキャンプ地が存在する。オレゴン州は、"LIFE IS STRANGE"(2015)の舞台となった場所である。

Salmonberry County Park - Travel Oregon

※ "TELL ME WHY"と同じくDON'T NOD開発タイトルである"LIFE IS STRANGE2"(2018)の主人公の母親も、子供を捨てて_____のキャンプのような場所で共同生活を送っていた。

※ 時計店での勤務に工学系の知識が生かされたかもしれないが、4ヶ月で辞めていることからやはり性に合わなかった(あくまであくまで工学系は親に強要されたものだった)ものと思われる。あるいは屋根裏部屋のような仕掛けの知識はここで培ったのかもしれない。

※ 日本においては「リケジョ」と言うフレーズが広告代理店によって(?)取り沙汰される昨今。もちろん理工系を志す女性が気持ちよくはたらき、学ぶことのできる環境を用意することは重要に思える。一方で、特に理工系への興味のない、メリーアンのような女性が自分の好みに従って進路を選択できることも重要だ。理想的なのは、個々人が自分の好みに従って生計を立てられることである。(あくまで理想論だが)特に娯楽の分野において、資本主義社会は、特にSNSとインターネット、スマートフォンの進化が隆盛を極めている現在それを可能にしてくれるシステムに思えるが、一方で「需要と供給」と言う現実的な観点も存在する。「格差社会」という言葉が指し示しているように、志望者が多い割に富の一極集中(寡占?)が発生しやすい分野でもある。この富の一極集中が、今後、業種に限らず社会全体で進行していくのではないかと言うのが日本社会における懸案となる。

※ 「サーモンベリーパーク」がオレゴンに実在するキャンプ地をモデルにしているとなると、メリーアンは「カリフォルニア(出生地)→オレゴン→アラスカ[ジュノー→デロスクロッシング]」と、アメリカ西海岸を順当に北上してこの地にたどり着いたと言うことになる。なぜわざわざ厳しく孤独な北の大地まで来たのかは不明。

※ この写真が撮影された月日は不明である。また、メリーアンが第1子をいつ妊娠し、出産したのか、具体的な言及はされていない。そのため、メリーアンの第1子の存在をサムとキャロルが知っていたのか、知っていて隠しているのかは定かではない。また、「大きな木造りの家」の物件を取り扱っている不動産業のティナ(声のみの登場)が当時を知っている可能性もあるが、彼女がいつからその業者で勤務しているかは不明だ。少なくとも、メリーアンが物件を購入(?)した際に立ち会った業者は、メリーアンが妊婦であるか、シングルマザーであることを必ず知っていたはずだ。それとも、メリーアンが子供を失ったのは、物件購入の前だろうか。(メリーアンが自分で家を建てたわけではないだろうし、所有者不在の家にメリーアンが勝手に住み着いたと考えるのも不自然。それとも「大きな木造りの家」の不動産業者は、売却に当たってアリソンが依頼して初めて接点を持った相手だったのだろうか)それにしても、サーモンベリーパークの人々はメリーアンが母親であることを知っていた(もしも妊娠を隠していなければ)可能性もあるが、ポストカードには子供について触れている記述はない。それならば臨月や出産は、時計店に勤務しているあいだか、デロスへ来てから、特にキャロルとサムと出会う前の可能性が高い。しかし作中において、メリーアンの妊娠・出産、そして第1子のなくなった日付について言及されることはない。

※メリーアンが第1子レオを失った日付は定かではないが、屋根裏で発見される「物語」が記述された手紙によれば、少なくともメリーアンが「大きな木造りの家」で、レオと共に暮らしていた期間が存在していることはほぼ確実である。(それともこれも「あくまで創作(フィクション)」と言う領域に包摂されてしまうのだろうか。「ゴブリンの本」やその他メリーアンの創作した物語は、ストーリーに「曖昧さ」の余地をもたらす便利な道具としての側面もある。)

※人形「みすぼらしいジャコウネズミ」は、ヴェッキの店で発見されることから、トム・ヴェッキを指していると言う可能性がある。一方、「ジャコウネズミ」はバウティスタ神父の写真の近くで発見されるため、神父のことを指していると言う可能性もある。もしも「氷の王」が、陰で暗躍するトムのことを指して創作されたのであれば、「ジャコウネズミ」は神父だとしても差し支えないだろう。しかしなぜ作中で容姿に優れていると言及されている神父が「みすぼらしい」のかは不明である。「みすぼらしさ」においてはトムも劣らない。なお、作中において1人の実在の人物が、2個以上のキャラクターへと翻案されている可能性もあり得る。例えばトムは「氷の王」であり、かつ「ジャコウネズミ」であってもよい。

※ [黄金の貴婦人]自身も何か社会的なプレッシャーを感じながら子育てをしていたように推察される。いわゆる典型的な「教育ママ」だが、それを単に母親当人の性格・気質のみに起因すると考えるのではなく、社会的な要因・生育歴などを考慮することが重要だ。(何世代にもわたる業をメリーアンは背負ったのだ)

※ 子供のしつけ(教育)について、メリーアンの父は、[黄金の貴婦人]と近い考え方をしていたようだ。

 

※ 第2章の墓石からわかる

 

※トムがメリーアンを見殺しにした理由は、「なぜ自分が現場にいたか」と問われ、メリーアンとの情事(=いわゆる不倫)が聴目に晒され、双子の父親としての責任(=養育費など)を負うのが嫌だったと思われる。なお、なぜトムとテッサの間に子供がいないのかは不明。トムはメリーアンを見殺しにしたことについて「自分は何も決断していない」と言い訳しているが、「トロッコ問題」を都合よくねじ曲げて解釈しているものと思われる。(自分の利益(現在の生活)か、メリーアンを助けるかと言う二者択一を迫られ、前者を選んだことを「何もしていない」(悪いのは刺した子だ)と言い訳している) アリソンがメリーアンを刺したことを知っていながら、全くそのそぶりを見せずに10年間を過ごし、アリソンを自分の店で採用までしたその面の皮の厚さは驚異的である。まさに政治家向きだと言えるだろう。(敗選とはなったが)

 

※ トムが第1章(第2章)で、事件のことを知っていたような発言をしたは、実際に現場にいたからではないかと思われる

※ タイラーがエディに「逮捕された」と話したのは、彼の誤解なのか(慣用的な意味)、法に則った手続きとして実際に「逮捕」されたのかは不明

※ タイラーがエディへのヘイトを募らせる一因となった

※ファイアーウィード(fireweed)と言う単語には、2つの意味がある。1つ目は「ヤナギラン」と言う多年草の花。2つ目は「山火事のあった土地でいち早く育ち始める雑草」のこと。どちらの意味もTELL ME WHYの物語の設定を踏まえている。1つ目の意味であるヤナギランはカナダやフィンランドなど北方の寒冷地で自治体の指定する象徴的な花であり、ゲームの舞台が寒冷地アラスカであることに合致している。また2つ目の意味は、タイラーの育った施設が「過酷な経験をした青少年を支援するための施設」であることに合致している。

アラスカ州成人年齢は18歳であるらしい。

※ テストロテン注射が理由だと話しているが真相は不明