4FRD

映画・ゲーム考察

映画『PERFECT DAYS』感想の要約

主人公は「すごいもの」を見せようとしないし、映画も観客に「すごいもの」を提示しようとしていない序盤〜前半の導入部分において、公衆トイレの景観・美観と日本製便器の機能性は露骨に「すごいもの」として提示されているせいで、主人公の価値観と映画の価値観が一致している前半部分における唯一の違和感となる。

 

前半部で周期的に繰り返される主人公の規則正しい生活と、わずかな異常(アノマリー)。主人公の魂はほぼ「凪(なぎ)」の状態を保ちながら平穏で居続けるが、中盤から終盤へと向かって順番に石が投じられると、広がった波紋は大きなうねりとなって主人公/観客の心を大きく揺らがせる。

 

他者とのささやかな接点であり、彼の教養と文化人気質を示すアナログ趣味を若者に肯定され、「すごいもの」を見せようとしない平穏/平坦な日々を娘同然の女に承認されることによって、彼のゆらぎは欲の芽を吹き、性愛の対象であろうとも皆と平等に共有していた女性が奪われることによって、一気に刈り取られる。

 

かつて成功を求められたであろう、彼の生い立ち・過去の匂わせも相まって、凪の日々にあってなお彼が「すごいもの」であろうとしないための微妙なゆらぎの発生が感じ取られるのだ。

 

彼の緘黙気質は、他者との接点において大きな揺らぎを抑え込むライフハックであろう

 

【追記:1/17】この映画の難しいところは「主人公が、心の波の変動のない穏やかな生活を、積極的な理由から勝ち得たのか、それとも消極的な理由からそこへ追いやられたのか」ということだ。

ショーンとダニエルの母親について -LIFE IS STRANGE 2

https://x.com/chenshaven/status/1731445141196448067?s=20

 

i like her as a character, i think she’s so interesting and well written. but i cannot ever support or get behind someone who abandons their children. i understand why she did, i get it, but that doesn’t make it right. no child should have to grow up

 

-on Karen Raynolds

 

LiS2の母親に対しては批判的な声が多い。(国・地域・文化によって有意差はあるかも知れない)

たしかに子供の側からすれば、母親が「自由になりたいから」(自分の道を追求したいから?)という理由で家を去ったのでは溜まったものじゃない。納得できる理由ではない。

ただ、「母親は子供につきっきりで面倒を見るべき」という考え方は、自分自身をも束縛する可能性がある。

だから子供を作る時は、父・母を問わず(自分が果たして責任を持って面倒を見切れるかどうか、経済的・精神的に余裕を持って愛情を注げる見込みがあるかどうか)慎重にならなければならないと思う

もちろん父母が共に育児に注力することは前提とした上で、育児と自分の突き詰めたい道が両立できる環境に身を置けるかどうか検討することも必要だ

その結果、両立は無理で、どちらか一方を選ばなければならない、あるいは育児のために好きなことは諦めて働くことを選ばなければならない、ということもあるだろう

事前に検討を重ねて子供を作っても、一般論として、実際に育児を経験してみないと分からないこともある。その結果、やはり自分の道を選びたい、どうしても育児は無理だ、という結論を下す人もいるかもしれない。

LiS2のダニエルの両親は、検討に検討を重ねた結果として子供を作り、結局母親が去ることを選んだというよりは、成り行きで子供を作ったもののやはり無理だとなったようだけれども。

育児が親にとって当然の努めであろうとも、育児の重要性に個人差もあり得、「自分が大切」ということもあり得る。「自分が大切」という人が世代的に増加しているようにも思えるので、(もちろん作る以上は責任を持って育てることが必要だが)、子供を作る前に、「自分が大切」にならないか考えるべき。

ところで、個人にとっての「育児の重要性」の要素は、単に「その人が子供を愛しているか」だけではなく、「自分がいないと子供が困るから」という利他性ないし共感性も関わってくると思う。また、育児の伴う負担は、育児の継続やモチベーションを減退させる要因となる。

育児が負担になろうとも、「子供が困るから」という、利他性・共感性を根拠にしてモチベーションに換える人が大半である一方で、ダニエルの母親は、この利他性や共感性が低かった、ないし、欠如していたか、あるいは、自己利益の追求が大きく優越してしまったので、結果として育児放棄したのだと思う

ステレオタイプなイメージでは、育児を放棄したり、家庭を捨てるのは男性のほうだ。もちろんそれはそれで最低なのだが、ドラマなどのフィクションではありふれてしまっているので、「うわー、最低」度が低い。

ところが通常は子供を捨てることのない、愛情を注ぐ役割を担う母親が家庭を捨てると、視聴者の失望感はとてつもなく大きい。

ここで、男性が家庭を捨てることは最低ではあれど頻繁であるがゆえに許容されてしまうのに対して、母親が家庭を捨てることはあまりに許し難いとする、その差に、「個人の生きづらさ」を感じ取って母親のために憤るかどうか、がLiS2という作品のコンセプトの理解度の差そのものであるような気もする。

ざっくり言ってしまえば、個人主義か、全体主義(道徳・倫理)か、ということになるだろうけれど。これは無印で「友人か(自分の気持ちか)/町全体か」という倫理的な問いが行われたのと同じだ。

ということを、LiS2を観た瞬間に感じて、ずっと覚えているし、ダニエルの母親に対する「よくある」感想/直感的な反応を目にするたびに思い出す。

https://x.com/4fraid_video/status/1726220495765504482?s=20

 

もしも自分がダニエルの母親の立場だったら、苦しみ悩んだ末に家庭を捨てている。安易な自己中心主義ではない。そして世間の批判も想定しているし、批判を身に受けてでも自分のやりたいことを追求する。だからダニエルの母親を見ても「悩み抜いて選んだ道を歩む人を批判できない」と考える。

もちろん、本当は子供を作る前に、同じ選択ができたんだよ、ということは教訓として得たい。

ゲームとは関係ないけれど、虐待もネグレクトもだめ。虐待やネグレクトをするような精神状態で子供を作ってはだめ。根本的には生活苦から来る精神的余裕のなさこそが虐待につながると思うから、豊かになってから子供を育てて欲しい。

昔は、家計を支える(働き手を得る=自分が生き延びる)意味もあって子供を作ったかも知れないけれど。それもうんとたくさん。(貧乏の子沢山?) でも今は社会は豊かになっているのでね。

https://x.com/4fraid_video/status/1726401910067089772?s=20

 

ダニエルの母親というキャラクター1つ取ってみても、これだけたくさんのことを考えるのでした。

 

たしかに子供の側からすれば、母親が「自由になりたいから」(自分の道を追求したいから?)という理由で家を去ったのでは溜まったものじゃない。納得できる理由ではない。
たしかに子供の側からすれば、母親が「自由になりたいから」(自分の道を追求したいから?)という理由で家を去ったのでは溜まったものじゃない。納得できる理由ではない。
 

映画『Perfect Days』の周辺の事柄について

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ミレーの絵画〈落穂拾い〉も、映画『PERFECT DAYS』も、「貧困を是として現在の立場に甘んじよ」という金持ち・支配者の思惑に嵌ってしまい、都合よく利用されそうな危うさはある。貧困の是=労働の是=言われたことを「はい!」とすすんで快く引き受けることだから。いくら働いてもリターンはないぞ。

 

一方で、貧しき者の豊かな精神性を認め、尊重することにもなる。旗印、ないしアンセムにもなり得る。作品のもとに集える。

 

これがたとえばバブル期の映画だったら、物質主義・快楽主義や下品さへのカウンターになる。本物を知らぬ成金たちに精神性を叩き込む作品として成立し得る。
けれど今はみんながそういう嗜好じゃない。みんなが貧しさや格差に不安・不満を抱き、権力を「目指すもの」ではなく批判対象として視線を向けている時勢に、あたかもお上から与えられたような清貧の理想像は教条的で、都合が良すぎるように見える。だからみんな警戒する。

 

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映画の土台に「反抗」があれば、人々は信じて流れに身を任せるのだけど、「盲従」が見えてしまうと胡散臭くて跳ね除けられてしまう、ということのようだ

 

 

【追記】映画『PERFECT DAYS』は、「金持ちが想像する「持たない」暮らし(=精神的に豊かな暮らし)」であって、現実のブルーカラー労働者の生活をそのまま反映したものではなく、実際、主人公の精神的な豊かさ(文化人気質や教養)は、彼の生い立ちやかつての暮らしに由来しており、それが定年前後の世代(特に男性たち)と相性がよく、定年前後の世代が理想とする「精神的に豊かな暮らし」を若い世代、特に娘(世代)から肯定されることが中高年男性にとって安心材料なのだ(そして映画はうまく、昨今のアナログブームに、若者と中高年世代との共通点を見出して、物語を進める装置としている)ということを思った。

映画『PERFECT DAYS』論評

映画『PERFECT DAYS』のなかで、数少ない心残りと言えば、あまりにも美観に配慮した公衆便所と、優れた機能を持つ日本製トイレの登場する場面とで、「日本、美しいでしょ」「日本、すごいでしょ」と言う制作者側のプライドが露出してしまうことにより、他者の目線を介在させぬ主人公の精神的境地(心の平穏)への肯定的な視点に立って描かれている序盤・前半部分(第1日目)に、不純物が混ざり込んでしまっていることだ。

主人公はいっさいのプライドを放棄することによって平穏な精神を獲得するに至った人物であろう。そしてこの映画は、彼のルーティンを描写する第1日目において、彼を批判するのではなく、彼に同調し、彼と同じ目線で、彼を肯定的に描いていたはずだ。そして観客もまた彼と同調することによってその平穏を分け与えられ、彼の休日にかけてまでの物語の設定・導入部分においてたっぷりと、平穏な日常をプライドなく愉しむことの可能性に目を啓かされる。ところが、作中に登場する公衆トイレは、あまりにも美しいスポットばかりが意図的に選定されているので、そこに観客は、主人公の生活から排除されているはずのプライドを敏感に嗅ぎ取る。そこに違和感が発生する。

 

劇中に登場する数々の公衆便所は、エンドロールにクレジットされている気鋭の建築家・デザイナー・ランドスケープ設計者たちの作品であろう。「これら公衆便所の選定に、日本企業の意向が反映されていそうだ」という印象は、続けてローソンやユニクロといった、日本を代表する大企業のロゴが表示されることによって強まる。

この映画の制作に協賛している日本企業が、名前を売る機会を逃さず、競合企業との競争に打ち勝ち、自身の縄張りを確固たるものにしようと言う意図を少しでも見せる隙があるので、禅の境地にも似た、あるいはかつて「幸福度世界1位」と謳われたブータン王国が目指したような幸せを体現した存在である主人公への肯定的な視点を持つ本作もまた、ほかの数多の映画作品と同じように、その商業性・商業的性質からは逃れることができないのだと言うことを、鑑賞者に思い出させてしまう。

もしかしたら、作品に登場するあまりに美しい公衆便所の数々は、決して「日本のトイレの凄さを世界にアピールしよう」(あわよくば外国人観光客の増加に貢献しよう)と言う日本人的な意図に基づくものではなく、映画に関わったヴェンダース監督ら、海外のクリエイターたちの純粋な興味や知的好奇心に基づくものであるのかもしれないし、日本企業の資本の集積の結晶としてデザインされた公衆トイレすらも資本主義経済の象徴として描き、それら便所の清掃を担当するブルーカラー労働者の存在を知らしめると言う意図が隠されており、出資者の日本企業も製作者の意図に気づかぬままに宣伝になると喜んでいるのだ、と言う見方もできる。

しかし、これらトイレすらも美しく、精神の統一をもたらし、禅の境地に導くような美的な場所として描かれていたし、登場人物の1人である黒人女性は、トイレの技術に喜んでいた。どうやら本作を制作した作家たちにとって、これら「美しすぎる公衆便所」は、「すごいでしょ」とひけらかされているにもかかわらず、「立派さ」「すごさ」「強さ」「成功」を求めない日々を送っている主人公の精神的境地とシームレスにつながっているようなのである。

 

(たしかに日本のトイレは、世界的に見ても衛生的で清潔な、しかも無料で利用できる公共インフラであるという点が特異であり、かつ、その維持にあたる清掃員は尊敬に値する存在なのかも知れないが、実際には古くて汚いトイレもたくさんあり、本作では美しく新しい、デザイナーズ公衆便所のようなものか、あるいは機能的にすぐれた便所だけを選定して取り上げている)※

 

禅の境地で生活し、フィルムカメラにカセットテープ、そして紙の本といったアナログを志向する彼の生活に、異質物として乱入する女性たち。1人は、主人公の同僚の彼女、2人目は彼の姪。スマホSNS・インターネットなどデジタルネイティブとして生まれた2人の若者は、デジタル機器で埋め尽くされた時代におけるアナログブームの後押しもあって、あるいは純粋な好奇心や趣味嗜好に則って、主人公の趣味を肯定する。けれども彼女らは作り手が紛れ込ませたのだ。金髪の若者は、主人公に「趣味がいいね」とご褒美のキスを与えるし、彼の姪は、初めは不躾な若者として登場しながら、いっさいの葛藤なく、ものすごいスピードで主人公の趣きを解して行動を共にする。彼とトイレ清掃業を共にまでする。つまり、本作のターゲット層である定年直前〜定年を迎えて少しした男性たちが、「自分の後継者がいた」と言う安心感を持つようにしたいのだ。禅の境地で心の平穏を手にしてなお、他者からの肯定を求め、同類を見つけて安心し、後継者を得たがる。主人公がそう感じているのか、それとも観客を満足させるための演出か。

けれども主人公の心を揺らがせる最大の人物たる、3人目の女性、ママは主人公に安易な肯定を与えない。ここにて「人生悲喜交交」といったありきたりな感想をもたらしながら映画は丸く収まるとも言えるし、また、やはり主人公も聖人君子とは言えず、些細なことで、彼の中に眠る最大の欲望を呼び覚まされ、彼がドロップアウトしたはずの世俗的な成功(仏教が最も「離れろ」と教えるもの)への欲の残り火の存在を感じさせる。商業主義の呼び声から遠く離れたところで成立する、彼の禁欲的な生活にも、僧侶や聖職者と同様に、欲との戦いが発生し得るようだ。

 

ただしこの映画は、禁欲せよと説いているのではない。成功や、「他者の目に映えたい」気持ちと無縁の場所で成立する魂の平穏と幸福に浸ることが結果的に欲望から我々を遠ざけてくれる可能性を提示してくれる。(そして欲、期待はしばしば心をかき乱す)

 

出世欲に満ち、成功することを目標にする人々にとって、ブルーカラーの、特にトイレ清掃員は、「存在しない」ものであり、それになることなどあり得ない。

けれどこの映画は、心の平穏に満ち満ちて文化的な暮らしを送る清貧な男性に優しい眼差しを送っている。それは社会的成功を目指して日々心を掻き乱される人生に対するカウンターとして成立している。静かなブームであるアナログ志向との相性が良く、監督の趣味嗜好にも合致しそうだ。けれどもこの映画が肯定している価値観は、悪用される危険性もある。その点については、ひとつ別の記事で触れておいた。

 

 

※それに主人公もブルーカラー労働者の実像をそのまま描いているというよりも、美化されているが、それは彼の生い立ちに起因しているようだけれども、それがかえって現代社会の人々が持つ価値観に対するカウンターとして成立する。

 

※好意的に捉えるなれば、作為的に選出されたあれらの美しい公衆トイレこそ、主人公にとってのプライドなのだ、とも言える。

 

※主人公がプライドを放棄するに至ったのは、競争に敗北したゆえの消極的な結果なのか、はたまた積極的に、ポジティブな理由から来たものなのかは不明。

TELL ME WHY時系列解説

1964年 メリーアン・ローナン[賢い王女]、カリフォルニア※に生まれる。

    厳格な母親[黄金の貴婦人]のもとで教育を受ける:

     ー バレエの指導を受ける

     ー 大学では、母の意向で工学系の学部を専攻したものと思われる

 

1984年  専攻を視覚芸術へと変更しようとする(転学部しようとする)も、おそらく母の反対を受け、失敗する。※

     ・この頃、芸術家(画家)の男性と恋に落ちるが、破局。おそらく原因は母の干渉による。

 

この間、メリーアンは大学を中退し、一文無しになる。※

    

1992年 メリーアン、実家を出る。この時妊娠していた。※

      メリーアン、「サーモンベリーパーク※」というコミューンのような場所で生活する※

      ここでのメリーアンは皆に好かれていた

 

同年6月 メリーアン、「サーモンベリーパーク」を去る

      ジュノーの時計店※※※に勤め、生計を立てる

同年10月 メリーアン、時計店を辞める。

     デロス・クロッシングに引っ越して現在の「大きな木造りの家」に定住

    ・メリーアン、この頃エディの母キャロル[ビーバーおばさん]とサム[熊おじさん]に出会う。幸せそうに過ごす※重要

     

この頃、メリーアンは第1子(レオ)を失う。※重要

 

---------------------------------ここまで第3章[納屋の屋根裏]で判明する出来事

 

この頃、メリーアン、トム・ヴェッキ※と情事を重ね、双子を妊娠する。

 

1995年 アリソン・ローナン&タイラー・ローナン[双子のゴブリン] 生まれる

 

1996年 メリーアンのもとへ、父親からの手紙が届く。母の死と、彼女がうつ病を患っていたことを知る。※

 

1999年 キャロル、死去。※メリーアンにとって数少ない友人の死は彼女の精神衛生上深刻な影響を及ぼすことになる。

 

2004年 厳しい冬の訪れ。メリーアン、困窮する。テッサ[ペリカンおばさん]らの支援を得る

 

2005年 アリソン、メリーアンを刺殺する。タイラーが「メリーアンに襲われている」と誤解し、アリソンに助けを求めた末の出来事だった。

     トム・ヴェッキ、一連の事件を目撃する

     なお、メリーアンの死因は溺死であり、トムは彼女を見殺しにした格好になる※

 

               双子の通報を受け、エディが現場へ向かう※

     タイラー、逮捕される※

 

     メリーアンの葬儀が執り行われる

 

     タイラー、ファイヤーウィード※にて保護される

     アリソン、エディによって引き取られ、育てられる

    

    エディ、裁判所の判断に従い、タイラーとアリソンの接触を禁ずる※

    また、秘密裏にタイラーの入所中の費用を捻出する

 

2012年 タイラー17歳、出所が可能となるも、アリソンとの接触を避ける※

 

2015年 タイラー20歳、ファイアーウィードを出所。アリソンと10年ぶりに再会する。ゲーム『TELL ME WHY』は、再会の日を含めた3日間の出来事を描いている。

 

 

_____________________

 

※ 人形(「ゴブリンの本」の登場人物)に必ずしもモデルが存在するとは限らない

※ 人形がいつ、誰(おそらくメリーアン)によって製作され、どこで保管され、誰によって離散したかは不明。仮に酔っぱらったサム(双子にゴブリンを渡した)が方々へばらまいたにしても、警察署内やエディの寝室など、侵入が容易とは思えない場所に配置されている場合がある。

 

※ 第3章で屋根裏で見つかる書類によれば、大学がカリフォルニアだったことから。生年は、第2章で墓石からわかる

※ タイラーの推察によれば、「誰かが書類を捨てた」ので、おそらく母。ただし書類に必要なサインは、学生本人のものと、転学先の"アドバイザー"のもののみ。(出資者...父親は何をしていたのか?)

※ 子の生活を支援しないということは、子が自分で稼ぐということなのだから、子供の意思に従うべきだと思うのだが、この点において「言う通り/思う通りにさせよう」という[黄金の貴婦人]の方針は矛盾している。つまり「自分の言う通りにしないなら支援しない」と言うことだ。

※ 1992年時点のメリーアンの妊娠の父親が誰かは作中で特定されない。

オレゴン州に、同名のキャンプ地が存在する。オレゴン州は、"LIFE IS STRANGE"(2015)の舞台となった場所である。

Salmonberry County Park - Travel Oregon

※ "TELL ME WHY"と同じくDON'T NOD開発タイトルである"LIFE IS STRANGE2"(2018)の主人公の母親も、子供を捨てて_____のキャンプのような場所で共同生活を送っていた。

※ 時計店での勤務に工学系の知識が生かされたかもしれないが、4ヶ月で辞めていることからやはり性に合わなかった(あくまであくまで工学系は親に強要されたものだった)ものと思われる。あるいは屋根裏部屋のような仕掛けの知識はここで培ったのかもしれない。

※ 日本においては「リケジョ」と言うフレーズが広告代理店によって(?)取り沙汰される昨今。もちろん理工系を志す女性が気持ちよくはたらき、学ぶことのできる環境を用意することは重要に思える。一方で、特に理工系への興味のない、メリーアンのような女性が自分の好みに従って進路を選択できることも重要だ。理想的なのは、個々人が自分の好みに従って生計を立てられることである。(あくまで理想論だが)特に娯楽の分野において、資本主義社会は、特にSNSとインターネット、スマートフォンの進化が隆盛を極めている現在それを可能にしてくれるシステムに思えるが、一方で「需要と供給」と言う現実的な観点も存在する。「格差社会」という言葉が指し示しているように、志望者が多い割に富の一極集中(寡占?)が発生しやすい分野でもある。この富の一極集中が、今後、業種に限らず社会全体で進行していくのではないかと言うのが日本社会における懸案となる。

※ 「サーモンベリーパーク」がオレゴンに実在するキャンプ地をモデルにしているとなると、メリーアンは「カリフォルニア(出生地)→オレゴン→アラスカ[ジュノー→デロスクロッシング]」と、アメリカ西海岸を順当に北上してこの地にたどり着いたと言うことになる。なぜわざわざ厳しく孤独な北の大地まで来たのかは不明。

※ この写真が撮影された月日は不明である。また、メリーアンが第1子をいつ妊娠し、出産したのか、具体的な言及はされていない。そのため、メリーアンの第1子の存在をサムとキャロルが知っていたのか、知っていて隠しているのかは定かではない。また、「大きな木造りの家」の物件を取り扱っている不動産業のティナ(声のみの登場)が当時を知っている可能性もあるが、彼女がいつからその業者で勤務しているかは不明だ。少なくとも、メリーアンが物件を購入(?)した際に立ち会った業者は、メリーアンが妊婦であるか、シングルマザーであることを必ず知っていたはずだ。それとも、メリーアンが子供を失ったのは、物件購入の前だろうか。(メリーアンが自分で家を建てたわけではないだろうし、所有者不在の家にメリーアンが勝手に住み着いたと考えるのも不自然。それとも「大きな木造りの家」の不動産業者は、売却に当たってアリソンが依頼して初めて接点を持った相手だったのだろうか)それにしても、サーモンベリーパークの人々はメリーアンが母親であることを知っていた(もしも妊娠を隠していなければ)可能性もあるが、ポストカードには子供について触れている記述はない。それならば臨月や出産は、時計店に勤務しているあいだか、デロスへ来てから、特にキャロルとサムと出会う前の可能性が高い。しかし作中において、メリーアンの妊娠・出産、そして第1子のなくなった日付について言及されることはない。

※メリーアンが第1子レオを失った日付は定かではないが、屋根裏で発見される「物語」が記述された手紙によれば、少なくともメリーアンが「大きな木造りの家」で、レオと共に暮らしていた期間が存在していることはほぼ確実である。(それともこれも「あくまで創作(フィクション)」と言う領域に包摂されてしまうのだろうか。「ゴブリンの本」やその他メリーアンの創作した物語は、ストーリーに「曖昧さ」の余地をもたらす便利な道具としての側面もある。)

※人形「みすぼらしいジャコウネズミ」は、ヴェッキの店で発見されることから、トム・ヴェッキを指していると言う可能性がある。一方、「ジャコウネズミ」はバウティスタ神父の写真の近くで発見されるため、神父のことを指していると言う可能性もある。もしも「氷の王」が、陰で暗躍するトムのことを指して創作されたのであれば、「ジャコウネズミ」は神父だとしても差し支えないだろう。しかしなぜ作中で容姿に優れていると言及されている神父が「みすぼらしい」のかは不明である。「みすぼらしさ」においてはトムも劣らない。なお、作中において1人の実在の人物が、2個以上のキャラクターへと翻案されている可能性もあり得る。例えばトムは「氷の王」であり、かつ「ジャコウネズミ」であってもよい。

※ [黄金の貴婦人]自身も何か社会的なプレッシャーを感じながら子育てをしていたように推察される。いわゆる典型的な「教育ママ」だが、それを単に母親当人の性格・気質のみに起因すると考えるのではなく、社会的な要因・生育歴などを考慮することが重要だ。(何世代にもわたる業をメリーアンは背負ったのだ)

※ 子供のしつけ(教育)について、メリーアンの父は、[黄金の貴婦人]と近い考え方をしていたようだ。

 

※ 第2章の墓石からわかる

 

※トムがメリーアンを見殺しにした理由は、「なぜ自分が現場にいたか」と問われ、メリーアンとの情事(=いわゆる不倫)が聴目に晒され、双子の父親としての責任(=養育費など)を負うのが嫌だったと思われる。なお、なぜトムとテッサの間に子供がいないのかは不明。トムはメリーアンを見殺しにしたことについて「自分は何も決断していない」と言い訳しているが、「トロッコ問題」を都合よくねじ曲げて解釈しているものと思われる。(自分の利益(現在の生活)か、メリーアンを助けるかと言う二者択一を迫られ、前者を選んだことを「何もしていない」(悪いのは刺した子だ)と言い訳している) アリソンがメリーアンを刺したことを知っていながら、全くそのそぶりを見せずに10年間を過ごし、アリソンを自分の店で採用までしたその面の皮の厚さは驚異的である。まさに政治家向きだと言えるだろう。(敗選とはなったが)

 

※ トムが第1章(第2章)で、事件のことを知っていたような発言をしたは、実際に現場にいたからではないかと思われる

※ タイラーがエディに「逮捕された」と話したのは、彼の誤解なのか(慣用的な意味)、法に則った手続きとして実際に「逮捕」されたのかは不明

※ タイラーがエディへのヘイトを募らせる一因となった

※ファイアーウィード(fireweed)と言う単語には、2つの意味がある。1つ目は「ヤナギラン」と言う多年草の花。2つ目は「山火事のあった土地でいち早く育ち始める雑草」のこと。どちらの意味もTELL ME WHYの物語の設定を踏まえている。1つ目の意味であるヤナギランはカナダやフィンランドなど北方の寒冷地で自治体の指定する象徴的な花であり、ゲームの舞台が寒冷地アラスカであることに合致している。また2つ目の意味は、タイラーの育った施設が「過酷な経験をした青少年を支援するための施設」であることに合致している。

アラスカ州成人年齢は18歳であるらしい。

※ テストロテン注射が理由だと話しているが真相は不明

TWIN MIRROR はじめました

TWIN MIRROR/ツインミラー

※以下、男女二元論的な記述になっていることご容赦いただきたい

 

「仕事を頑張っているのに、女性が離れていく男性像」は、フィクションにとって恰好の題材だ。このような男性像は、フィクションによる全くの創作ではなく、現実を写し取ったものでもあり、また現実の男性たちの心象を表象するものでもあるように思う。

 

映画『ゴッドファーザー』3部作の主人公、マイケル・コルレオーネは、そういった描像に当てはまる、典型的な男性像だ。

外では仕事を頑張っている といっても彼の場合はマフィアボス業 のだが、家族のことはなおざり/おざなりで、妻にも愛想を尽かされ、子供はパパのことを軽視している。

本人は「"ファミリー"のため」に頑張っているのだが、良かれと思ってしてきたことが、最後には彼を孤独な帝王に変えてしまう。

本当は家族を......娘を愛しているのに、最後には彼女までも失ってしまう。

 

努力すればするほど深まるこの孤独は、「成功さえすればモテる」という、男性の(?)、おそらく幼少期からの思い込みに起因しているのではないか、というのはあくまで私見である。

そして出世欲は競争に、競争は排他性/敵意に、排他性と敵意は、他者への共感能力を欠如させるばかりか、自己へのケア能力=セルフケア能力まで欠如させてしまうように思える。男性のセルフケア能力の欠如は、社会・経済の効率化・システム化が進展し、女性の社会進出と育児の両立が論題となる昨今において、より顕在化している。

 

家族のことを思いたいが、そのような愛情は外敵との対峙においては致命的となる。

リスク管理をすること......敵を想定し、最悪の可能性に備えることがこれまでの社会では、個人・共同体の生存のすべであるとされてきた。のではないか

 

おそらく、外敵への警戒心を持ったままで家庭に帰ってきてしまうのだ。

 

そのような警戒心は、他者へ刺さるだけではなく、自己の問題や弱さへと向き合うことも妨げる。つまり、男性のセルフケアを妨げる。

これが男性特有の問題なのか、社会要因によるものかは定かではないが、男性中心社会が歴史的に形成されてきたという主流な見方にしたがうのであれば、男性中心社会を形成する男性的なマインドが、男性のセルフケアを妨げかねない、ということになるだろうか。

 

ゲーム「ツインミラー」は、すでに傷つき、弱さを抱え/自覚した男性を主人公に、強がる自分との対話を可能にする物語にも思える。

 

 

・・・・・

 

「妻に逃げられた男性像」は、単純に本人の行動や生活様式に難がある場合もあるだろうけれども、「仕事と家庭の二者択一を迫られる男性」のように、戯画的なまでに人口に膾炙している。

しかし未だ、孤独を深め、女性や家族との絆をつなげないでいる男性が存在する以上、この問題は真剣な検討に値するのではないか。

あるいは、そのような男性を父に持つことで、幼少期に深刻な、そして不可逆的な体験を心に抱える子供たち,そういった家庭で育ち・成長した大人たち(AC?機能不全家庭?)がいるのではないか。

 

苦しむ男性の自己理解を促進したり、幼少期にトラウマを抱えた子供たち/成長した大人たちが自身の生育環境/ 家庭環境を理解したりすることの一助になりそうなゲームが、TWIN MIRROR/ツインミラーなのではないか。

 

テーマ:男性の弱さ、男性のセルフケア

 

・・・・・・・

 

 

成功と女性 敵

競争と繁殖

孤高と繁栄(独占欲)

 

敵意とPTSD

 

 

 

 

 

【日本語訳】Twin Mirror #1

TWIN MIRROR #1

 


[アナウンサー]

午後じゅう降り続いた小雨も晴れ上がります

気温は49F  ※約9℃

夕方のウェストヴァージニアはすがすがしくなりそう

防寒をして、腰を落ち着けましょう

バスウッドラジオ局から、キャリー・ハモンドがお送りしています

 


[新聞記事] バスウッドジャングル紙の記者、自動車事故で死亡

 


[アナウンサー]

休憩を挟んで、メンタルヘルスの専門家ウィニコット博士がー

最新の話題を…

 


[バグ] お葬式、来るんだよね?

 

 

 

 


葬式前の時間潰し…ここにするか

ここでいつも大事な決断をした 人生がぶち壊しになった

暇さえあればここへ来た

この絶景なら、田舎町も大きく見える

 


[案内板] 「バスウッドの眺望」

 


鉱山のないバスウッドなんて奇妙だ

故郷は、悪夢の中だともっと重苦しいんだけどな

毎年の夏はあの土手で、ニックと釣りをしたもんだ

ニックは俺に参列して欲しいなんて思うか?...俺はみんなほっぽり出した

 

 

 

この辺りは電波が悪い。まだ使える

この中にサンドイッチを1週間放置したことを、父親にネチネチと言われたよ

 

 

 

ここから町を眺めては、洞察を得ていた

あの日までは…

 

 

 

どうして現実世界は、心の中のようにクリアで平穏じゃないんだ?

 


ここでは何だって明らかだ 自分さえも

 


[ニック]

なあ、頼みたいんだ 驚くなよ

娘の名前をつけてくれないか? お前だけが信頼できる

 

 

 

そんな彼の電話に出なくなってしまった…亡くなる前日にも電話があった

何を話したかったのか

 


[ニック] フリーランスのアナだ。人間に興味を持って仕事をしてくれる

[アナ] 何というか、人が好きだし、人間が為したちょとしたことが好きなの

あなたはどんな記事を書くの?

[ニック] ウォルターと校正があってな。2人で話しててくれ。サム、親切にな

 


これほどまでに他人に興味を持てる人物がいたなんて

自分にも興味を持ってくれた

 

 

 

[アナ]そのネタは大事なの、わかってるでしょ(?)

この辺の人たちは気が短いのに、根に持つと長いの 気をつけてよ

ねえサム、聞いてるの?

 

 

 

ちゃんと聞こえてたよ でも俺は忠告を聞かなかった

 


[サミュエル ] こっちにおいで!アナ!これを見て!

[アナ]何?誰かが裸で川でも泳いでる?

[サミュエル]これを見てよ

[アナ]よく見えない

何してるの?

[サミュエル] ロマンチックにね

[アナ] 待ってよ…プロポーズだなんて言わないよね?

[サミュエル ] どう見たってそうだろう?

僕が君のおばあさんを轢いちゃったらそんな顔をするのかい

黙っていたら怖いよ…何か言って

[アナ]指輪をしまって 欲しいのは指輪じゃない

わかってよ 前にも一緒に話したじゃない

 

 

 

2人が幸せではなかったという事実に向き合う勇敢さがあったのはアナだけだった

考えすぎた…何時だ?

 


[バグ] 本当にこのまま来ないの?泣

 

 

 

(興味のある方はスマホのカメラで撮影して翻訳にかけてみてください)

(基本的には、ストーリーを追っていて判明する事実以上の内容は記されていません)

 

 

 

(ニックとは幼い頃からの親友だった)

 

 

 

 


参列し損ねた

これで良いのかも

ポジティブに考えれば、ニックは死んだから、もう彼を失望させることはない

 

 

 

[ウォルター] 今からでも来るのか?

 


すまない、ウォルター この辺にはいたくない

 


もう逃げるのか

ちらっと感傷に浸って それだけで行くのか?

行っても辛いのはわかる とてもつらいだろう

その推測は正しい

でももう2年経ったじゃないか

この世界に向き合って 大人になろう

幸いここにもう1人いるじゃないか (2人で向き合おう)

 

 

 

ウォルター

通夜には来てくれ

「ヘイヴン」で執り行われる

 

 

 

ニックに何の関係が?[A]     [D]もうすぐだ

 


渋滞にハマってね もう着くよ

 


電波が途絶えた…相変わらず

※字幕にピリオド=独白(文章)的?

 

 

 

 

 

 

ジョアン・”バグ”・ウォルドロン

ニックの娘. どれだけ辛い思いをしたことか

 


[バグ] ミュリー…来てくれたんだね

 


久しぶり…背が伸びたね

 


[バグ] 話せる?

 


話してるだろ

 


[バグ] ここだと寒い

 


[バグ] みんなを見捨てたよね

 


まずは言い分を聞いてくれないか

 


[バグ] みんなを見捨てた

 


説明させて[A] [D]このことは話したくない

[S] ごめんな

 


いろんなことに収拾がつかなくなって…

 


[バグ] どこにも行かないって!

どんな言葉だったかは覚えてないけど、約束したって!

 


建前じゃない。本当に色々なことがあったんだ。アナとの仲が壊れて…

ごめんな、言葉じゃないよな

これ以上バグの信頼を失いたくないとは思っているよ

 


[バグ] せめて電話か何かしてよ

特に父さんの…あのあと…ね?

 

 

 

言葉もない。君の言う通りだ

 


自分は、誰かに手を差し伸べることができる状態になかった

今だってそうで、ニックが亡くなっていなければここには帰ってこなかった

 


[バグ] 正直にありがとう 少なくとも正直な人間ではあるよね

 


ねえ、話したかったのは…父さんに起こったことなの

だって辻褄が合わないもの 事故を起こすはずがない

いつもよろよろの運転してたの、知ってるでしょ!あり得ない 信じないんだからね

 

 

 

 


葬儀のために来たんだ 役人でも警官でもない

 


[バグ] 面識のある人の中では一番それに近い

調べて欲しいの、お願い

 

 

 

父の死に理由づけをしようとしてるんだ

でもその先はどうなる?

 


万が一、何らかの「真相」にたどり着いたら?それで全てが一変したら?

 


1時間前には逃げたがっていた奴が、今度は調査を始めるって?

 


2,3個の質問なら誰かの心を傷つけない

今夜だけ

バグを安心させたい

自分も

 


通夜だぞ?こそこそ嗅ぎ回ってたら、誰かに背中を突かれたって文句は言えない

何をするにしても、せめてこの子の安全だけは確保するんだ

 


口約束なんて残酷だぞ

 


嘘をつかないのが友達だ

 


彼女をまた失望させるかも

 


さあ、決めて

 

 

 

←関わらせない  調査を約束→

 


よし、やってみよう 調査だ

 


[Bug]やってくれる?

 

 

 

良い着眼点だ 矛盾してる 矛盾はきらいだ

[ニックがのろのろと運転する人柄なはずなのに自動車事故で死んだこと]

 


[Bug] 私も. 自分がおかしいのかもと思ったけど、でも…   

 


万が一ということもあるからね わかるよ

 


[Bug] ありがとうミューリー、ママが心配するから中に入る

ミューリーも来てね 一晩中車の中に隠れてたりしないで

 


そんなの誰が言ったんだ?

 


[Bug] わたし じゃあ中でね

 

 

 

 


(バスウッドの警官の少なさ/警察規模の小ささを言っている)

 


[コール・マイナーズ・ヘヴン]

(サミュエルがバーのパックマンで遊んでいて、ニックが声をかけたことが友情の始まりであったことが記述されている)

 

 

 

[Walter] サミュエル ・ヒッグスと 生きているうちに再会できるとは 2年以上になるか?

関係ない 嬉しいね、やっと来たか

いやあよかった どうして遅れたんだい?

 


思い出にふけっていて 葬儀は逃したけど通夜には来たよ

 


[W] ハグしてくれよ

_____________________ 26:50

 


後ずさる[A] [D]ハグする

 

 

 

[W] それと…アナとは最近話した?

 


いいや、なぜ

 


[W] いや、特に理由はないが

 


機会さえあれば、お互いに近況でも話そう

中でな

 


(ウォルターはサミュエルの昔の上司だ)

 

 

 

行くか…

 

 

 

(炭鉱労働者の避難所)

 

 

 

[Joel] サミュエル・ヒッグスの旦那じゃねえか

特ダネ記者だぞ

戻ってくるとはな

喜んでお前のタイヤを切り裂いてやるね

 

突っかかる[A][D]受け流す

 


ステレオタイプ田舎者の歓迎の詰め合わせハッピーセットか?ジョエル

 

 

 

[Declan]お二人とも

ここは奢らせてくれないか

 


[J] いい奴じゃねえか

お前と違ってな

 


[D] 仲良しだな

お久しぶり

 


[D] 気をつけてくれ、今夜は仕事をするつもりはないぞ

お前はすぐにみんなを怒らせる

 


すぐ帰るさ[A] [D]売られた喧嘩だ

[S]ニックのために来たんだ

 


ニックに敬意を表するためだけにここへ来たんだ

他の目的はない

 


[D] そりゃ残念 自制してくれよ

 

 

 

思い出の写真を捧げよう

みんなそうするならね

 


(デクランとは学校が一緒だったらしい(学年は不明) 正義感が強い子供だったようだ)

(炭鉱労働者たちは、鉱山の閉鎖をサミュエルのせいにしている/劣悪な労働環境ではなく)

 

 

 

[Tara]サミー!久しぶりね

こっちはこのところずっと胃が痛くなるような気分にさせられてるわ

ニックの車は日曜日のハムみたいだったらしいじゃないの(不謹慎・KY)

生きたまま燃えたんでしょ

ヒューには会った?古い薬局を継いだのよ(おしゃべり好き)

 

 

 

[Hugh] あのサムか 鉱山の記事は読んだよ

執筆のためにさぞかし足で稼いだんだろう

 


ご感想は?[A][D]かなりの裏付けを重ねた

[S]話したくないね

 


何千件の公文書を読んだことか

But a pattern of willful negligence.

 


[Hugh] 君は闘犬だな 搾取する権力者からすると危険な男だ       [cf.チャーチル]

 


それはどうも

 


[H] 薬局においでなすって

[T] ねえサム…

[H] 君は我々とおしゃべりに来たんじゃないんだろう?

[タラの口数を戒めつつ力を誇示する(只者ではない)] (本当に薬局の人?)

[T] あらそうだわね 連絡してよ、サム

 

(タラは元同僚)

 


ベスはニックを可愛がっていた 彼の職業倫理を好いていたんじゃないか

 

この爺さんがまだ動くとは…

ニックと俺でこの機械にいくら使ったことか

 

[B]ここにいるみんなが本当に父さんを好きだったみたい

 


そうだとも

 


[B] みんなよくしてくれるけど、何だか不気味 変だよ アナですら変

 


アナはどうしてる?[A] [D]みんな親切にしようとしてるんだ

[S]君の父さんはいい人だったよ

 


みんな声のかけ方に戸惑ってる でも君の父さんを好いていたのは本当だ

だからなんだか不気味でぎこちなく見えても、良心からしていることなんだよ

 


[B] ミューリーまで変になっちゃった

 

いつもはどうなんだ?

 


[B] いつもはみんなを見てるだけでしょ

 


それが仕事だからな

 


[B] 自分も見てるのは好き でも見ているものが好きだとは限らない

 

 

 

キャシーとニックの間には、離婚後、愛はなかった

だがニックが亡くなって辛いのは誰の目にも明かだ   

[執筆しているように呟く/言語優位パーソナリティ/独白/ハードボイルド/葛藤/自問自答/公共の目]

 


キャシー

 


[Kathy] サム、来たのね

 


自分でもびっくりだ[A][D]お悔やみを

[S] 会えてよかった

※分岐に無関係(好感度値の上下のない)な選択肢でも、動作主性を高めるために紛れ込ませている?

 


2人は長いこと別々の人生を歩んでいたろうけど…それでもお悔やみを申し上げるよ

 


[K] そうね、でもわたしの娘の父親である以上は寂しいわ

あなたがいなくなってジョアンは本当に傷ついてた

ニックとわたしは離婚後 疎遠だったから…

ジョアンには友達がいなかった

 


今回は、町から去るにしてもジョアンをがっかりさせないようにしてよね、いい?

 


心がけるよ[A][D]ジョアンはニックが殺されたって思ってる

 


約束は難しい みんなやジョアンとはうまくやれてはいない

 


[K] わかってるわ

 


だが努力するよ

 


[K]その言葉、守ってもらうわよ

 


[N] やあ、パックマンさん

 


I consume in my path

 


[N] もう十分だろう…鉱山閉鎖はお前のせいじゃない

 遅かれ早かれ閉鎖する運命だった

お前のおかげで助かった命もあるだろ?

 


[B] 父さん!ミューリー!

 


くそッ

 


[N] 口が悪いぞ

 


[B]結婚指輪?

 


[N] 知らなかったぞ 結婚するつもりだったのか

 


ええと…そうすべきだと思って

 


[B] 父さん、結婚の心得って何?

 


[N] みんながやることだ…ほら、遊んでごらん

お前みたいな大人に教えてやらないとな ゲームってのは子供の領分

アナにはこのことを話したのか?[結婚のこと]

 


教えてくれてありがとさん アナに指輪を見せるときにその教えを話してあげるよ

[ゲームのこと](論点ずらし)

 


[N] 好きにしろ… なあ、覚えておけよ 俺はここにいるぞ お前が必要なときにはな

パックマンの裏技だけは教えないがな 墓まで持ってく

 


連絡が途絶えて残念だ 絶ったのは俺だ 安らかに…大男さん

 


(重要な情報があれば訳します)

 

 

 

[Dennis] サミュエルじゃないか 賭けに負けちまったよ

 


賭け?

 


[D] ああ、お前が絶対にバスウッドに戻ってこないってな

Not after you went careering out of own like a bat out of hell the instant that article broke bad.

 


それで去ったんじゃない[A] [D]賭けに勝ったのは俺だ

[S] 賭けの相手は?

 


なあ、デニス

俺は自分自身との賭けに勝った お前は第一声からクソ野郎だってな

 


[D] そんな安牌な賭け

 


ここで何してる ニックと友達にでもなろうってのか

 

 

[D]いいや、ニックは俺を酔っ払いとしか思ってなかった

そして俺からすればニックはハッカー

 

 

エンジニアの口からこれが出るとはな

パスワードをリセットするだけでジャーナリズムの学位を取れるとは知らなかった

 

 

まさか

だが泥を投げてくる奴らに対しては容赦しなくていいってことはわかるぞ

 


まあ落ち着け 冗談さ とりあえず近況でも聞こうか

 


正直なとこ荒れてたね[A] [D]興味ないだろ

[S]最高さ

 


ああ、そんなに気になるか

 


[D] いいや、そんなに だがそう思いたいなら勝手にしな

ともかく、ニックに乾杯しよう 俺たちと違い 好かれていた男にな

 


噂をすりゃ…

 

 

 

(こういうパーティで登場人物紹介・人間関係を紹介する手法だと、有名なのはゴッドファーザー(1972)かな)

 


[ニックを偲ぶ歌]

 

 

 

最後に会ってから2年間? ちっとも変わってない…

 


ハグする[A] [D]そのままにする

(この時点で好感度の値が上昇してるかどうかはわからない)

 


[A] 会いたかったのよ

どうしてこんなに長いあいだ 来てくれなかったの

 


君のせいじゃない[A] [D]いまここに居るじゃないか

[S] 戻ってくるのが辛かった

 


正直 戻ってくるのはつらすぎた

展望台に寄ってきたんだが…

 


[A]どうして自分を追い詰めるようなことを?

(展望台で破局した?のになんだか他人事だな?)

 


古傷をえぐる欲求? The old-timers gave me hell when I came in too.

 


[A] みんな気が短いんだってば

 


そして根に持つと長い

 


[A] みんな善意で行動してはいるのよ

 


サム、炭鉱は閉鎖する運命だった

1-2年でね 神様がいたずらしたって、せいぜい5年

鉱脈を掘り尽くすか、もっと大きい事故でね

責任を背負わないで

 


一人ひとりに言い聞かせてやってくれ[A] [D]わかってる

[S] そんなこと言われても

 


みんながそれをわかってくれたら良いのにな

 


[A] みんな怖いのよ そして怒りに満ちてる あなたのせいにするのが楽

 


父が両足を失ったとき,

炭鉱が正規の手順に従っていなかった事実を誰も知らなかった

 


あなただけが唯一 調査を始めた人

あなたの話題になると必ず 父は「サミュエルは正しいことをした」と

 


ああ, お父上は…ジョーは樫の木さ どっしり構えて支持を叫ぶ

 


[A] It wasn’t just him.

ニックは、あなたの仕事は素晴らしかったって

嫉妬してた

 


彼はいつも書きたがってた 「天国にも激震が走るやつ」を

As he used to put it… 

ほら、私たち同棲してたから Started to get serious… (真面目にね(?))

 


でも今になってようやく気づいたの どれほど彼を想っていたか

 

わかるよ…[A] [D]2人は付き合ってたって?

 [この「強がり/我慢」が「男性のセルフケア」と関係ある気がする/特に女性の前では]

→ 『ドライブ・マイ・カー』

 


ああ、ええと…2人がね 辛かったろうに

 


[A] 大丈夫?付き合ってたの知ってたよね ニックがあなたに伝えておくって言ってたから

 


ああ、知ってたよ でもただ知らされるのと…理解するのとでは違うから

 


[A] ええ.. そうね 

今日はすごくよかった 葬儀も 通夜も ウォルターのおかげ

ただ私にとっては 重いの 胸が痛くなる

 


ニックとの思い出がずっとのしかかってきて まだ彼のことを引きずってるみたいで

 


本当に残念だ[A] [D]ニックは殺されたの?

 


ニックが亡くなって 頭がいっぱいでつらいよ ニックがいないんだ

 


よくできたじゃないか 恋人の死を悼む人が乗った船に 石を投げ込む奴はいないよな?

 


[A] It’s big. I can’t get my head around it either. His stuff is all over my house.

 


でも彼はいない 持ち主のいない物 ほとんどはー

ジョアンとキャシーに渡す? 捨てる? わからない

 


多分まだ未練のある相手が、親友と付き合ってて、でも親友は死んでしまって

彼の娘も大切で

私疲れた 飲んで泣くかな 1人で

 


変な歌も歌った 自分に言い聞かせた通りにね 歌うんだって(???)

 


ニックは痛々しい歌だって言ってたけど 歌った そして私は家に帰るわ

 


近況を話しましょう

明日コーヒーでも飲みながら  話すだけ 9:30でどう?

 


ああ、いいかも

 


[A] カフェは新聞社の向かい “クリスティーナ”よ

本当に会えてよかった

 


[W]サミュエル!来いよ 飲もう

 


2,3杯なら…そしたら帰ろう

 


[野次] 炭鉱を閉鎖に追い込んだ奴だぞ! あんなことがあったのに、来やがった!

 

 

 

You’d think a kid at a bar would stand  out more.

 


[雑談] ニックがな…

 


[W] おおサミュエル !

一緒に話そう ニックの思い出を分かち合ってたんだ

 


一杯おごるしな

 


[W]なんの話だっけ?

[E] 今はビールだ

[W] そうとも ニコラスを偲んで

 


[E] ニックは最近よく来てたな

あそこに座って ジョークを飛ばしてな

 


友達と? アナかな? (めっちゃ気にしてる)

 


[E] PCを構えて 仕事してるみたいだったぞ

 


彼が1人で飲むなんて

 


[E] 2人は仲が良かったよな? バーの外でのことも教えてくれよ

[W] 記憶力が悪くてな 名前も日付もパスワードも思い出せないぞ (助け舟を出そうとしている?)

Kept his notes squirreled around him like a hoard.

 

 

 

(みんなニックを思い出にしようとしている/ Bugは釈然としていない)

 


[W] 彼は良い父親だった

酒を飲む[A] [D]彼には自分にはないものがあった

[S] 彼とは2年間も話していない

 


ニックはジョアンにとって良い父親だった

けど、heavy liftingをしたのはキャシーだったな

学校へ連れて行き 食事をさせ ニックが迎えに行く…

父親役を2-3時間, ほとんどのあいだジョアンはオフィスに座ってお絵かきしてた

そして夕食後はジョアンとキャシーを送っていくんだ

 


[W] 偉大な男も 父としてはそこまでか

 


ー 人々の友 真理の友 時代の友にして 若人の導き手:

  いかなる精神も 持ち得ぬ 彼ほど温き美徳を いかなる精神も 彼ほどの博き智慧をー

  別世があらば 栄光と共に在らん

  虚空しか無かりせば 此処にて究まらん

 


[E] バーンズの詩か? オリジナルか? (訳してから知ったけど実在する詩らしい)

[W] ロバート・バーンズを知っているとは でもね、自分で温めておいた詩なんだ

[E] いい詩だ すまないサム、傷つけるつもりはなかった

 


酒を飲む[A] [D]ああ、みんな彼が好きさ

[S] 自分にがっかりさ

 


みんなニックが好きだった デニスすら、どこかしらね

 


[W] 友達もたくさんさ A few who couldn’t make it sent flowers

[E] ご家族は? Honw’s the family taking it?

[W] ジョアンとキャシーは動揺してる

キャシーはやることがいっぱい 前よりもね

それに、親を失う備えなんて誰ができる? Not a soul. Not a single soul.

 


酒を飲む[A] [D]彼はいつもうまくやってたさ

 


It always seemed so easy for him. Every day he’d show up, smile. No matter what.

 


[W] トップに相応しい人格者の資質があったよ

 


私には無い資質がね

 


[W] ここで自嘲気味にならなくても しんみり内省するところだろ

[E] そうとも それと酒のね

 


乾杯[A] [D]酒を飲む

 


ニック、我が友 亡くとも忘れ得ぬ

 


[W] そうとも そうとも

 

 

 

[D] それを置きなさい!キャシー!未成年が飲酒してるぞ

面倒を見てないのか? イーサンが営業取り消しになるぞ

 


[B]何もしてない!触らないで!

放っておいて

 

みんな…みんな馬鹿だ!

 


[K] そんな口の利き方はやめなさい!

     ごめんなさい…ジョアンはとても,,,

 


ニックは記憶にあるニックと違う行動をしていたようだし

ヒューはなんだか怪しい(気遣いのようでコントロールしている)

 


[W] That was quite heavy-handed. あの子の心に傷を残さないといいが

 


キャシーはひどいな[A] [D]デクランはひどいな

[S] ジョアンに連絡するよ

 


連絡してみるよ ジョアンが大丈夫か

 


「大丈夫か?」

「うん ただどこかへ行きたくて」

「連絡ありがとう」

 


「ここにいるからね」[A] [D]気をつけて

 


「話をしたいときには、ここにいるからね」

 

 

 

 

 

 

 


ーなんて夜だ

うまく行ったかい?

みんなと会話した 避けていたはずなのに

期待していたほど年月が敵意を和らげなかったとは言え

 


黙れ お前のアイデアで来たんだ [社会性]

運転したのはお前だ 無理強いはできない

内心 戻る理由を探していただろ

 


(反論の言葉が見つからない)

 


It’s gonna be one of those long nights inside your head, Huh?

 


同席も頼んでない[A] [D]I’m sooo sorry…

[S] やめろ

 


なあ..おれは..おれはたのんでなんかない ここにいろなんて

帰れ

 


I can’t let you miss this

 


You just showed up!

 


わかってないな、罪悪感に生きたまま押し殺されるとこだったぞ

俗世に戻って、感情を取り戻し、溶け込んでる 進歩だ

 


何が世間だ 無意味な会話ばっかり…

誰も本音を言わない!

 


どっか行けよ! この悲劇に浸らせてくれ

 


馬鹿はするなよ

 


約束なんてできるか!

 

 

 

[従業員] あのー、すみません! 9時チェックアウトでしたよ!

 


えぇ.. いや、ちょっと待って

 


[従業員] あと10分したら、もう1日分の料金もいただきますからね!

 


はい…チェックアウトが9時って

昨晩どうしたっけ ああ、頭痛がする

 


薬を飲んで酒も入れた よくない 気絶したのか?

 


頭が回らない 水…顔でも洗うか

 


何錠飲んだ?

 


ひどい頭痛だ

 


水がありますように

 


あるわけないよな

 


マシになった シャツはどこだ?

 


おいおい、なんてー

どうしてこうなった?!

何をやらかしたんだ?!